
レンズが明るく、撮像素子がそこそこ大きく、レンズ or モニター部分が回転するデジカメ……という条件で探すと、すべてをクリアするモデルは現行機種ではこれくらいしか見あたりません。
2003年12月発売ですから、デジカメ業界にあっては相当古い「ロングセラー」になりました。今でも製造終了にならないのは、これに代わるニューモデルが出ないからでしょう。その後のSONYの高級機は、すべてこのF828よりレンズが暗く、レンズ部分も回転しません。
価格は、古くなったといっても、安い店でも8万円近くします。デジタル一眼レフがレンズキット付きで買える値段なのでそれほど売れてはいないでしょうが、一眼レフというのはいいレンズをつけてなんぼのものです。
キット販売されているF3.5~5.6のズーム程度のレンズを使っていたら、室内ではストロボをたかないわけにはいきません。内蔵フラッシュなど、プロは絶対に使いません。照明に凝れないアマチュアカメラマンは、デジタル一眼を使うなら明るい単焦点レンズ(35mmカメラ用のを使うしかない)をつけるなら別ですが、そうでなければこのF828やパナソニックのLC1を使ったほうがはるかに「いい写真」が簡単に撮れるでしょう。
「部屋の写真を広角で撮りたいのですが、お勧めのデジタル一眼はありませんか」という質問を受けたことがあります。フルサイズ撮像素子を持つデジタル一眼レフ(本体価格50万円以上します)に、35mm用の単焦点レンズ(f=28mmとか)をつけるならまだしも、普通のデジタル一眼では無理です。そもそもその撮った写真をポスター並みに引き伸ばして印刷する必要でもあるんでしょうか?
そうでないなら、このF828やコニカミノルタのA200あたりを使ったほうがずっといい写真が撮れるでしょう。
というわけで、F828はいまだに外せない1台になっています。本当はレンズや画素数のスペックは、これの前のF717のほうがバランスがいいのですが、F717はすでに製造中止。ヤフオクで中古が4万円くらいから出ていますので、中古のF717を探すのもいいかもしれません。
F828の画素数はいらないと思いますが(800万画素ならもっと大きな、デジタル一眼なみのCCDが望ましい)、シャッターの反応速度、液晶ファインダーの解像度、高速シャッター(1/3200秒)などはF717よりずっとよくなっています。広角側が35mmフィルム換算で28mmまであるのも、広角側が伸びていなかったF717より使いやすいですね。
筐体はF717のほうが手に馴染むし、好きでしたが……。
SONYも新製品の方向性を間違えているんですよねえ。困ったもんです。
ちなみに私が今考える理想のデジカメは、
οF717のようなレンズ部 or モニター部が回転する、かつ持ちやすい筐体で、ズームリングは電動ではなく手動
ο撮像素子はデジタル一眼なみの大きさ。特に画素数を800万にするなら、2/3型CCDでは小さすぎ。2/3型CCDを使うなら、画素数は500万くらいに押さえてくれた方がむしろいい
οレンズはF2.0-2.4くらいは死守。できればもう一声明るく
ο最低でも1/2000秒、できれば1/3000秒が切れる高速シャッター
……といったものです。
<<主な仕様>>
撮像素子 2/3型CCD
解 像 度 3264 x 2448
開放絞り値 F2~2.8
シャッタースピード 30秒~1/3200秒
焦点距離(35mm換算) 28mm~200mm(光学7倍)
液晶モニター(画素数) 1.8インチ(13.4万画素)
ファインダー カラー液晶EVF(23.5万画素)
記録メディア メモリースティック系、コンパクトフラッシュ、マイクロドライブ
重 量 832 g
LC1の実勢価格が12万円を超えている現在、F828が8万円前後で買えるのは魅力と言えるかもしれません。私もほしいのですが、ぐっと我慢しています(先日、ヤフオクで中古を競りましたが、5万円ちょっとのところで撤退しました)。
(2006/02/24 追記)
一時は75800円(2月8日)まで下がっていたF828の最安値価格が、突然3万円以上一気に値上がりして、2006年2月24日現在、価格.comでの最安値店でも11万円以上!
どうしたというんでしょう。
(価格変動表を見ると驚きます
→こちら)
こんなことならあのとき粘っても5万円台でヤフオクで買っておくんだった……
(;.;)
ちなみに、2006年2月現在、私が所有しているデジカメは以下の通りです。
(発売が古い順)
●Olympus Cmedia C-2040ZOOM
…… F1.8~という、コンパクトデジカメ史上最も明るいレンズを搭載していたモデルということで、ヤフオクで中古を求め「記念に」持っています。室内の静物撮影などでは、今でも現行モデルにひけを取りません。さすがに古いので、バッテリーの保ちや起動速度、反応速度などは現行機種とは比較になりませんが。
●SONY DSC-F707
…… F2.0-2.4という明るいズームレンズとレンズが回転する点が非常に気に入っています。古いモデルなので、シャッターの反応速度が遅いのと、シャッター速度そのものが最高で1/1000秒までしかないのが最大の欠点。ズームは電動ですが、これもA200のように手動のほうがはるかに使いやすいですね。筐体のデザインは秀逸で、見た目よりはずっと扱いやすいですし、大きさも気になりません。最近、液晶の色味などが少しおかしくなってきました。部品の耐久性などにちょっと不安を感じています。
●SONY DSC-U50
……レンズが回転し、F2.8(固定焦点)というメモ用デジカメ。傑作です。画素数は200万画素で十分なのですが、レンズ性能やCCDの小ささのため、トリミングなどをすると画素のにじみが気になります。この設計思想でレンズ性能などを上げてくれれば文句のない名機になるのですが、残念。しかも、このタイプのモデルは現行商品ではなくなってしまいました。Tシリーズなど、薄いカード型モデルは、ちょっと暗い場所ではろくな写真が撮れず、まったく興味がありません。Uシリーズの美点を継承していないですしね。
●NIKON D70
……これは「仕方なく」買ったデジタル一眼です。仕方なく、というのは、最初に買った一眼レフがニコンのFG20というマニュアル機で、その後、揃えていったレンズ群がニコンだったから。ゼロから買うのであればキヤノンのEOS Kissにしたでしょう。
一眼レフは高性能なレンズをつけてこそのもので、セット販売されている暗いズームレンズなどで撮っていてはほとんど意味がありません。私は50mm F1.4という単焦点レンズをつけっぱなしにしています。撮像素子が35mmフィルムフルサイズではないため、周囲が切り取られるので、見かけの画角は75mmていどになります。標準レンズが中望遠レンズになってしまうわけですね。はっきり言って使いにくいですが、暗い場所での威力は絶大。夕方の神社の境内などでは、これ以外は使えません。
中望遠というのは人物ポートレートにもいいので、室内でフラッシュを使わずに人物撮影するのにもいちばん向いています。
デジタル一眼レフというのはそういうもので、プロは必ず「よいレンズ」と「完全な照明環境」のもとで使っています。デジタル一眼を必要とするプロカメラマンで、セット販売のズームレンズをつけて内蔵フラッシュをパカパカたきながら撮っている人などいません。アマチュアがラフな使い方をするのであれば、F828やLC1のほうがずっといい写真が撮れるでしょう。
●コニカミノルタ Dimage A200
……これはテスト用にいただいたものです。レンズはF2.8~3.5というそこそこ明るいレンズ(本当はF717並みにF2.0~にしてほしかったけど)。液晶モニターが回転するので仰角撮影やマクロ撮影にもとても便利。最大の美点は、撮った画像の色味がきれいなこと。ニコンなどとは対極で、色が「濃く」て鮮やか。後から加工することを考えると、このくらい派手な色になってくれたほうが扱いやすいんですね。赤系は特にきれいです。
広角側がかなり伸びているので、室内を広く撮りたいときなども重宝します。ズームリングが手動なのも扱いやすく、筐体はチャチに見えますが、軽いし、機能的です。メディア関係者に愛用者が多いというのも頷けます。
最大の弱点はオートフォーカスがバカなこと。補助光を持たないため、ちょっと暗いところや逆光の場所ではまったくピント合わせができません。本当にイライラさせられます。それがなければ使いやすいカメラなのですが、改善する前に会社がカメラ製造から撤退してしまいましたね。残念。