
何度かやっている「1000万画素なんて意味がない」検証シリーズのひとつです。
今回のコラムについて、読者のかたから、「BとCは逆なのではないか?」というお問い合わせがあったそうです。
逆ではありません。この通りです。Aが600万画素で375mm相当、Bが1000万画素で112mm相当、Cが500万画素で90mm相当、です。
使用したカメラは、
A:Pentax K100D+TAMRON18-250mm F3.5-6.3 (F6.3 1/400秒)
B:Nikon COOLPIX S600 (F5.8 1/640秒)
C:Panasonic LC1(F2.4 1/2000秒)
です。
CCDのサイズはそれぞれ、APS-Cサイズ(23.5×15.7mm)、1/2.33型(約4.6×6.2mm)、2/3型(8.8×6.6mm)
ですから、面積にすると、A:369平方ミリ、B:28.5平方ミリ、C:58.1平方ミリ。画素数がいちばん多いBが、いちばん小さなCCDです。Bに比べると、Aは6.35倍、Cは約2倍あります。
解像度に関しては、beの連載コラムに使う小さな写真では、500万画素でも多すぎるくらい。今回の写真はどれも月だけをトリミングして原寸表示していますが、それでもクレーターは見えていますね。
もやっとして見えていないのはBだけです。
なんのための1000万画素か? 答えは簡単。カタログ数値で1000万画素を謳いたいためであり、実用的な理由ではありません。実用を考えたら、どんな技術者でもこんな画素数を詰め込もうとはしないはずです。「高画素じゃないと売れないから、なんでもいいから画素数を詰め込め」という上からの命令によって、こうした馬鹿げたCCDが開発されているのです。
はっきり言って「とても恥ずかしい」CCDです。
軽自動車で200馬力と言っているようなものですね。いえ、技術的にはもっと無茶な数字でしょう。
PanasonicのLC1は製造中止になっている今でも、中古品がかなり高い価格で売買されています。私はこのカメラ、決してよい出来だとは思っていません。スペックからすればもっといい写真が撮れるはずなのに、入手して以来、ずっと裏切られてきました。それでも、1000万画素の最新コンパクトモデルに負けるようなことはありません。
ちなみに、今回のテストで難儀したのは、S600には絞り優先(A)モードもシャッター優先(S)モードもないため、絞りが利かなかったことです。
これはS600だけでなく、今のコンパクトデジカメはすべてそうなっています。
今まではあまり深く考えなかったのですが、裏読みすると、AモードやSモードを搭載して、こうした厳密な撮影比較をやられてしまうと、小さなCCDに1000万画素を入れている馬鹿馬鹿しさが如実にばれてしまうので、ごまかすためにまともな撮影術が駆使できないようにしてあるのではないか……とも思えてきました。
最後に、分かりやすいように、元画像の月の部分だけを切り抜いた原寸画像を並べておきます。

A:600万画素、375mm相当 APS-CサイズCCD(約369平方ミリ)

B:1000万画素、112mm相当 1/2.33型CCD(面積約29平方ミリ)

C:500万画素、90mm相当 (2/3型CCD 面積約58平方ミリ)
★それぞれ、画像をクリックすると原寸表示になります。
現在出ている小型デジカメで、1/2.33型CCD1000万画素という仕様のものは、どれも同じCCDを使っているはずで、部品の性能は同じでしょう。NikonだからCanonだからSONYだから、という問題ではなく、約29平方ミリしかないCCDに1000万画素を詰め込むことから生じる根本的な問題です。